犬のしつけとは、何を学ぶことなのか。
「しつけ」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは、 「オスワリ」や「マテ」を教えること。 あるいは、言うことを聞かない犬を、上手に扱う方法を覚えることかもしれません。
けれど、僕たちは少し違う角度からも考えています。
もちろん、暮らしのルールは大切です。 ただ、「やり方」を覚えるだけでは、 長い暮らしの中で、何か困ったことが起きるたびに、また誰かに正解を求め続けることになってしまいます。
僕たちが目指しているのは、 いつかトレーナーがいなくなった後も、 あなた自身が目の前の愛犬を見て、考え、答えを出せるようになること。
飼い主さんの「自立」です。
まずは、犬のシグナルを読みとる
人と犬は、言葉が通じません。
それなのに、こちらの言うことを聞かせることばかりに、一生懸命になってしまうことがあります。
でもその前に、知ってほしいことがあります。 彼らが全身で表現している「ボディーランゲージ」のことです。
彼らは耳や視線、体の動きを使って、今の気持ちを伝えています。
それが、彼らの言葉です。
その意味を、読みとれるようになること。 これが、ひとつめの学びです。
つぎに、行動の仕組みを知る
「どうしてそんなことをするの?」 愛犬の行動に、頭を抱えてしまうことがあるかもしれません。
でもその行動は、彼らにとっての「正解」なのです。
仕組みは、とてもシンプルです。 その行動をしたら「いいこと」が起きた。だから、また繰り返す。 その行動をしても、何も起きなかった。だから、しなくなる。
ほんとうに、それだけのことなのです。
この仕組みを知っていれば、 感情的に叱ったり、力でねじ伏せたりする必要はなくなります。
ただ、起きる結果を、変えてあげるだけ。
これが、ふたつめの学びです。
さいごに、環境を整える
しつけというと、どうしても「犬を変える」ことに目がいきがちです。 でも、犬を変える前に、できることがあります。
それは、「環境を変える」ことです。
吠えてしまうなら、外が見えないようにカーテンを閉める。 イタズラされたくない靴は、届かない場所にしまう。
これは、困った行動を未然に防ぐための、賢い戦略です。
言葉や合図でコントロールしようとするよりも、 物理的にできない状況を作ってあげること。
行動は繰り返さなければ、習慣にはなりません。 そして、しなくなった行動は、自然となくなっていくのです。
これが、みっつめの学びです。
さいごに
いつか、トレーナーが訪問する期間は終わります。 でも、愛犬との暮らしは、ずっと続いていきます。
その時、彼らのシグナルを読み、 行動の理由を理解してあげられるのは、あなたしかいません。
しつけを学ぶということは、 単に、言うことを聞かせる技術を覚えることではありません。
彼らの言葉を知り、 行動の仕組みを知り、 そして、彼らを守る環境を整えること。
この視点を持つことが、 本当の意味で「犬のしつけを学ぶ」ということなのだと思います。