犬が「吠える、暴れる」理由。「リアクティビティー」について。
散歩中に他の犬を見て激しく吠える。
あるいは、動くものを衝動的に追いかけようとする。
あまり耳馴染みがないかもしれませんが、こうした行動は、動物福祉の先進国であるイギリスやドイツでは、「リアクティビティー(Reactivity)」と呼ばれます。
直訳すると「反応性」という意味です。
これは、犬の性格や生まれつきの性質のことではありません。 ただ、周りの環境や変化に対して、過剰に反応してしまう、その一時的な様子を指します。
リアクティビティーかどうかは、次の3つの視点で判断します。
・ 激しさ: 吠え方や動きが、普段とは明らかに違う強さであること
・ 起きやすさ: 少しのきっかけで、何度もスイッチが入ってしまうこと
・ 反応の長さ: 一度興奮すると、なかなか元の落ち着きに戻れないこと
これは、性格が荒いわけでも、わがままなわけでもありません。
ただ、その時の状況が、その子が受け止められる限界を超えてしまった結果です。
「攻撃」とは違う
激しく吠えたり、飛びかかろうとする姿。 その激しさから、「攻撃的な犬」だと誤解されてしまうことがよくあります。
でも、その根底にあるのは、不安や恐怖、あるいはフラストレーションです。
自分の身を守るため、あるいは苦手なものから距離を取るために、 精一杯どうにかしようとしている。彼らなりの切実なSOSであることが多いのです。
行動の正体を知るということ
愛犬の困った行動が、「リアクティビティー」であると知ることは、 「何が起きているかわからない」という不安から抜け出し、 「いま、精一杯どうにかしようとしているんだな」と、冷静に受け止めるための第一歩になります。
正体がわかれば、調べることができます。 対策をとることもできます。
得体の知れない行動ではなく、 ちゃんと向き合い、付き合っていける「行動」に変わります。
感情的になるのではなく、冷静に観察し、環境を整え、対策していくこと。 正体を知ることは、そんな「建設的な解決」への糸口になるのではないでしょうか。