帰宅時の犬の興奮を落ち着かせる方法

ドアを開けた瞬間、体当たりする勢いで飛びついてくる愛犬。

全身での歓迎は愛おしいけれど、止められないほどの興奮を前にすると、「これでいいのだろうか」と不安がよぎります。

今日は、そんな興奮を「穏やかなただいま」に変えるための、ちょっとしたコツについてお話しします。

*もし留守番中に家具の破壊や粗相が見られる場合は「分離不安」の可能性があります。その場合は、今回の話とは別のケアや獣医師による診察が必要です。

「構わない」という、一番の優しさ

興奮が止まらない時、私たちはつい「どうしたの?」「よしよし」と声をかけたり、撫でたりしてしまいがちです。

あるいは、「ダメ!静かに!」と叱ることもあるかもしれません。

けれど、実はその行動が、愛犬の興奮をさらに高めてしまっています。

犬にとって、大好きな飼い主が自分に意識を向けてくれることは、それがたとえ注意であったとしても、嬉しい「ご褒美」になります。

「興奮すれば、こっちを見てくれる」と学習してしまうのです。

だからこそ、興奮している間は、あえて犬に対して「何もしない」を選んでください。

それは冷たい「無視」ではありません。

彼らがクールダウンし、いつもの穏やかさを取り戻すまで、静かに見守るということです。

穏やかな「ただいま」のための作法

具体的には、「見ない、触らない、話しかけない」の3つを徹底してみてください。

ただし、これは人と犬の安全が確保できる範囲で行うことが前提です。

玄関を入ったら、足元で飛び跳ねる愛犬とは視線を合わせず、声もかけず、もちろん触れないこと。

荷物を置き、手を洗い、着替える。 まるで愛犬がそこにいないかのように、淡々と自分の帰宅ルーティーンを進めてください。

ペースを崩さず、静かに振る舞うこと。それが、彼らにとって最も明確なメッセージになります。

乗り越えたい、2つの「つまずき」

このアプローチを始めると、必ずと言っていいほど直面するハードルがあります。あらかじめ知っておくことで、慌てずに対処できるはずです。

1. 一時的に「もっと激しく」なる瞬間

無視を始めると、最初は今まで以上に激しく吠えたり、強く飛びついたりすることがあります。

「あれ? 気づいてないのかな? もっとやれば気づくかな?」と、愛犬がアピールを強めている状態です。

専門用語で「消去バースト」と呼ばれる現象です。

これは、あなたの「アプローチが間違っている」のではなく、「効いている証拠」です。

ここで根負けして反応してしまうと、「そうか、これくらい激しくやれば見てくれるんだ!」と、さらに強い興奮を学習させてしまいます。

ここが一番の踏ん張りどころです。嵐が過ぎ去るのを待つように、一貫して静観を貫いてください。

2. 足元へのじゃれつき

もしかしたら、足元にまとわりつかれることがあるかもしれません。

そんな時、無理に進もうとすると、動く足が「楽しいおもちゃ」になり、かえって興奮させてしまうことがあります。

もし足にじゃれついてきたら、その場で立ち止まり「銅像」になってみてください。

動きが止まれば、遊びとしての面白さは消えます。

彼らが興味を失い、離れた瞬間を見計らって、またゆっくりとルーティーンに戻ります。

落ち着いた時こそ、褒めるタイミング

淡々とルーティーンを続けていると、飛びつきや吠えが止まる瞬間が訪れます。

4本の足が床につき、静かになった時。それが、愛犬に声をかけるタイミング。

ここで初めて、しゃがみ込んで目線を合わせ、穏やかに「ただいま」と声をかけてあげましょう。

もし、かまった瞬間にまた興奮し始めたら、すぐに立ち上がり、再び背中を向けます。

これを繰り返すことで、彼らは「落ち着いている時だけ、あなたと関われる」というルールを学習していきます。

興奮のスイッチを切り、静かになってから向き合うこと。

この習慣の積み重ねが、不安だったただいまを「穏やかなただいま」へと変えていきます。

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